今年は、残暑が続くそうです。気象庁の長期予測によると10月ころまでは最高気温が平均を上回るそうです。
さて、今回のお話は前回(2022年8月号)に続いて、人間の脳の話をしましょう。
人の脳は大きく分けると大脳と小脳と脳幹の3つから構成されています。大脳は左脳と右脳に分かれ脳全体の3/4を占めます。この領域は人間特有の高度な情報処理を担っています。また小脳は主に無意識な運動機能を司っており、脳幹は生命活動の基礎となる情報処理機能を受け持つ領域です。
脳全体の重さは男性が約1,400gで女性は約1,200gで、脳で消費されるエネルギー源はブドウ糖で、全身で消費されるブドウ糖の約20%が脳で消費され、肺から摂取された酸素の消費量も全身で消費される酸素の約20%を消費しています。
我々人間を含めた哺乳類には大脳皮質と言われる部位が存在し、前頭葉、後頭葉、頭頂葉、側頭葉の4つの領域に分けられ、行動や意識,認識や記憶などの情報処理を司っています。
後頭葉、頭頂葉、側頭葉は外界から得られた情報(見る。聞く。触る。味。嗅ぐ。)を分析し、理解した上で前頭葉がこれらの情報をもとに外界への情報発信(話す。動くなど。)をする役割を担っています。
頭頂葉には感覚に係わる体性感覚野や動作・空間認識を司る頭頂連合野が存在し、側頭葉には言語野や聴覚野、記憶に係わる側頭連合野が存在しています.後頭葉は、主に視覚情報を優れた高次の情報処理する能力があり、前頭葉は運動性言語に係わる処理や思考、判断、創造性などを担い、前頭連合野と言われる領域と身体の運動機能を司る運動野が存在しています。難しい言葉ですが連合野とは感覚器官から入力される情報を統合する役割を担っており、高次の脳機能処理を担っています。
我々人は、進化の過程で様々な脳の領域を増大して、高度な情報処理を行えるようになりました。しかし如何なる生体も老化や機能の低下を避けることは出来ません。偶には頭部のCT検査でも受けてみては如何でしょう。