当院の訪問診療の方針
当たり前に訪問診療を
当診療所では、訪問診療を特別なこととは考えておりません。
患者様に、いつもの暮らしを、いつまでも望んだ場所でお過ごしいただくために、「外来診療にお越しいただけなくなった患者様には、かかりつけの診療所の医師がご自宅に出向く」というシンプルな考え方に基づいて訪問診療を行っております。
在宅でも変わらない医療の質を
在宅療養中の患者様が外来での診察を希望した場合、予約から診察までに日数を要したり、診察に長い待ち時間がかかる等の理由で、必要な診察や検査が受けられないケースが見られます。当診療所では、CTをはじめとした検査機器を備えることにより病院機能の一部を代替し、迅速に、かつ患者様の負荷を減らした上で、高品質な医療を提供したいと考えております。
必要な医療を、必要なときに必要なだけ
例えば、過剰な薬剤の投与により、かえって副作用を招く様なジレンマは可能な限り避け、患者様に残った機能や能力を最大限に生かした、患者様や家族が望む医療の提供を目指しております。
対象の方
- 寝たきりまたはこれに準ずる状態で通院困難な方
- 加齢や何らかの障害などで通院が困難な方
- 脳卒中後遺症やパーキンソン病などにより日常生活動作に支障がある方
- 認知症により通院が困難な方
- 退院後のケアが必要な方
- 骨折やリウマチなどにより慢性的な痛みに悩まされている方
- 排泄の医療的管理(カテーテルなど)を必要とされる方
- 住み慣れた自分の家で療養したい方
- できれば最期の日まで、望んだ場所で望んだ生活を送りたい方
などに該当される方となります。
対象疾患の例
がん、脳血管障害後遺症、脳梗塞、認知症、老人性運動器疾患(骨粗鬆症、大腿頸部骨折など)、関節リウマチ、神経難病、慢性呼吸不全、慢性心不全、慢性腎不全、糖尿病 など多岐に及びます。
訪問可能な範囲
制度上、往診が可能な範囲は診療所から半径16kmまでとなっております。
目安として当診療所から車で約30分程度であれば概ね可能ですので、ご相談ください。
在宅療養中に受けられる処置例
- 在宅酸素療法
呼吸を楽にするため、ボンベからの酸素吸入を行います。 - 中心静脈栄養法
食事摂取が困難となり誤嚥の可能性が高い場合、高カロリー輸液にて栄養を摂取します。
(当診療所にてポート挿入手術が可能です) - 膀胱留置カテーテル
種々の理由で導尿が困難な場合、カテーテルを留置します。 - 腹水濾過濃縮再静注法(CART)
腹水(又は胸水)をろ過濃縮して、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収する治療法です。 - 疼痛緩和ケア
医療用麻薬を適切に使用することで、少ない副作用で痛みをコントロールできます。
訪問スケジュール
原則として月2回以上の予定に基づいて医師がご自宅を訪問し、診療・検査・お薬の処方などを行います。
当診療所は、「在宅支援診療所」の届け出を行っており、緊急の場合には夜間・休日を問わず、24時間365日、医師が対応します。
費用(診療所での必要負担額の目安)
対象 | 負担割合 | 月額標準負担額 | 負担上限額 |
---|---|---|---|
高齢者(70歳以上) | 1割 | 約7,000円 | 14,000円 |
3割 | 約20,000円 | 57,600円 | |
一般(70歳未満) | 3割 | 約20,000円 | 高額医療費による返還 |
- 検査や処置を行った場合は、所定の費用が上記に加算されます。
- 院外処方となりますので、お薬代は別途必要です。
- 当診療所では訪問に要する交通費は、ご負担いただいておりません。
訪問看護
当診療所の看護師もしくは、患者様がご希望される訪問看護ステーションの看護師が必要に応じて患者様宅へ伺います。当診療所では、訪問看護師と連携しながら、点滴や注射などの医療処置、リハビリなど、入院時と同じように安心して療養できるよう看護業務を通して支援します。
薬の手配について
訪問診療の場合、院外処方となります。
訪問時に処方せんを発行しますので、ご自宅近くの調剤薬局でお薬をお受け取りください。
その際、薬剤師に薬の配達及び管理を依頼することもできます。
介護保険の利用
介護保険は、がんや特定疾患の場合は40歳以上、それ以外は65歳から利用することができます。
当診療所内には在宅介護支援事業所も併設していますので、ケアマネージャーへの相談が可能です。
なお、要介護度認定申請には「主治医による意見書」が必要ですので、必要な方は診察時にお伝えください。